「あいのり」を語るから聞いておくれよ

 

ハマってる番組がある。知ってる人も多かろう。

「あいのり」である。

 

名前は聞いたことがあるだろう。

男女7人が海外に飛び、ラブワゴンと呼ばれる車に乗って「真実の愛」を探す旅である。

旅をしていくにあたってメンバーを好きになったら、告白をし、okだったら一緒に日本に帰り、フられたら1人で帰る。そしてまた新しいメンバーが旅に加わる。そんな番組だ。

 

この説明を僕が聞いた時、くだらなすぎて呆れた。

アホで滑稽である。ただの恋愛ごっこであり、くだらない番組だ。視聴者は他人の恋愛を見て何が楽しいのか。せいぜいフラれたりするのを見て楽しむだけだろう。

 

 

 

見てみた

 

 

めっちゃ面白い。

とにかく、めっちゃ面白いのだ。

それはそれはもうやめられないのである。

 

 

「台本がない」のと、「キャラの濃いメンバーがガチで恋愛をしにいく」が、うまい具合にマッチしている。

そのせいで毎回濃い出来事が起きる。全く先が読めない。ただの恋愛ごっこではなく、沢山のドラマが創られる。視聴者それぞれが心から応援したくなるメンバーが現れる。

 

様々な国を回る中で、観光を兼ねて「自由時間」というものがメンバーに与えられる。

この時間は、メンバーそれぞれが好意を寄せているメンバーを誘う。誘おうと思ったら、他の人に取られたり、まさかのその人が他の人を誘ったりと、まさに戦なのである。

「おぃぃぃぃい」と言いたくなる。

 

 

つまり、メンバーが必死に恋をしている一連を、視聴者は第三者目線で、スマホ画面一つで見られるのだ。地上を見下ろす神様の視点ともいえるような。そりゃ楽しいに決まってる。

しかし見続けて気づいた。彼ら側が視聴者を支配している。全く展開が読めない。人間が起こす数々の出来事は予想できない。

「いやタイミングちがうだろおぉぉ」「その行動はないだろおぉぉ」と、視聴者らは振り回されるしかない。

 

そんな視聴者の言葉を代弁してくれるのがMC陣だ。今はベッキー夏菜いとうあさこが担当している。この3方も素晴らしく、視聴者と共に彼らに振り回される。3人のトークも楽しい。ベッキーは色々あったが、思ったことをズバッというところが本当に清々しくて好きになる。

 

あーおもしろい。あー

とまあそんなところで僕が感動したメンバートップ3!

 

 

 

「でっぱりん」

自称「中の上」。天真爛漫の全力疾走な博多の彼女。

感情をありのままにストレートにぶつける彼女はいくつかの大事件を起こしてきた。

彼女にとって視聴者はどうでもいいのだ。ただ、自分を好きになってくれる人だけを大切にする。好きな人がコロコロ変わり、自分への好意が見えないと全力で落ち込む。まさに天真爛漫。ブチ切れて人にあたり、散々泣いて、立ち直って最後には笑顔になる彼女にはなぜか魅入ってしまう。

ありのままでいる彼女は羨ましい。人として羨ましいから魅入ってしまうのだ。

 

シャイボーイ」

決してイケメンではない誰一人期待していなかった謎キャラ、シャイボーイは一人の女性に恋をして、2人で幸せに日本に帰った。

よく分からないことがきっかけで気持ちがすれ違い、ラブワゴンで密かに泣く2人の絵や、ひくくらい追いかけたあの日を乗り越えて2人は日本に帰った。彼が放つ一つ一つの現代離れした言葉は、とても温かく優しく、僕らを安心させてくれた。告白した時のシャイボーイが歌った彼女への歌は日本中が泣いただろう。あれほど純粋で正直な男がみせてくれた一連の恋は、まるで一つの映画のようだった。

 

AI

「人が恋する人工知能を作る」と彼は参加時に言った。そんな彼は好きになったでっぱりんに宣戦布告をした。それからのAIの行動はすごかった。

女が嫌って男が好きになるキャラのみゃあからの好意をきっぱりと断ち切り、同じくでっぱりんに恋するライバルのヒデくんに戦う覚悟を示し、でっぱりんに最大のアタックをする。一つ一つの言葉、行動がカッコいい。絶望しているでっぱりんを「泣き顔もかわいいね」と恐ろしい言葉を使って一瞬で笑顔にした。寒気がするそんな言葉も彼がいうと本当に様になる。視聴者全員を味方にして、AIは告白した。そしてフラれた。頭を抱えるほどの絶望感を視聴者全員は味わった。彼は最後に言った。「人が恋する人工知能なんかいらないです。人は人が恋すればいいと思います。」

 

 

もっと紹介したいメンバーは沢山いるがここまで。

 

とにかくこれは、ただの恋愛旅ではなく、ヒューマンドラマであり、ドキュメントなのである。

 

 

あいのりは、最高なのである。